言葉の宝石箱【食レポ】で表現力の原石を磨いてみない?

もうちょっと表現力を身につけたいなぁと思ったことはありませんか?そんなときには食レポが最適!普段の食卓もちょっと美味しくなる魔法のスパイス、食レポで、表現力を磨きましょう。

こんにちは! 元テレビマンで二児の母、じゅりちゃんです。
皆さん突然ですが、食レポ、やったことありますか?
そう、あれです。「美味しさの宝石箱や〜」みたいなやつ!

 

いや!ねーし!

 

ですよね〜…。
あれ、やってみませんか? 家で。

食レポをすると、普段の食卓が変わります。
きっと、「美味しさ」を表現することがいかに難しいか、また、自分の持っている語彙がいかに少ないか、気づかされると思います。

普段の献立も、お店のテイクアウトも、いつもと違った楽しみ方ができる食レポ。
語彙力・表現力アップにも効果的なので、ぜひ試してみてください。

食レポには高度な技術がつまっている

言葉が貧しくなっている?

「ナウい」「チョベリバ〜」なんてもうとっくの昔に死語になっていますが、日本語は日々生まれ、そしていつの間にか消えていくと思っています。
いつの時代も、新たに生まれた言葉は大人に敬遠され、「言葉の乱れ」などと言われますが、乱れるくらいならまだマシ。
まずいのは、「言葉が貧しくなる」ことだと思います。

例えば、「ヤバイ」。
元は、「良くない。怖い」というようなネガティブな意味だったかと思うのですが、いつの間にか「すごく良い。めちゃくちゃカッコイイ」みたいな意味でも使われるようになりました。

両極の意味を持っていて、つい便利だから、ヤッベーヤッベー言ってしまうんですよね。
そしてそのうち、物事を表現するのに、「ヤベー」しか出てこなくなる。
非常にヤバイ事態です。
…あ、また言っちゃった。

だけど、語彙力アップなんて、国語辞典を引いたからといってすぐに身につくものでもありません。
そんなときは、食レポです!

食レポは観察から始まる

情報番組や、朝夕ニュースのグルメコーナーでよく見かける食レポ。

さあ、美味しそうなステーキが運ばれてきたとしましょう。
口に入れる前からもう始まっています。

鉄板の上で、ステーキさんたち、ジュージュー言ってますね?

「ジュージュー言ってる、美味しそう」

いいえ、そんなありきたりな描写ではだめです。
ほら、耳を澄ませてみて…。

 

「お肉が、お肉が楽しそうにおしゃべりしてる!」

 

そうそう。いい感じです!
お肉を一口大に切って、そっと持ち上げてみましょう。

湯気と、断面から滴る肉汁。

 

「ジューシーすぎてこのお肉、飲めちゃうかもしれない」

 

食事は目で見て、味わって楽しむというじゃないですか。
食レポもぜひ、食べる前の観察から始めてみてください。

さて、観察が終わったら実食です。
一口で食べられる大きさに切り分けたら、口に運んで、もぐもぐ。
ひととき目をつぶって、味わってる感を演出するのもいいですね。
飲み込んだら、食レポのクライマックス。

 

「お肉が程よい歯ごたえ。噛むと肉汁が溢れ出してきて、旨味がすごい。
そしてその旨味のプールの中を泳いだお肉が、すう〜っと喉の奥へ消えていきました。
金メダルをあげたいと思います。」

 

くらい大げさに表現しちゃいましょう。
美味しい、甘い、辛い、など、味を表現する言葉以外に、食べ物を擬人化すると、割と表現しやすくなります。

彦摩呂さんや石塚さんを思い浮かべながら、グルメレポーター気分で振り切っちゃいましょう!

日本語は1つのことを表す表現法がたくさんある

たった1つのことを表すとき、日本語には何通りもの表現方法があります。

夏。小暑。大暑。溽暑。猛暑。短夜。葉月。蛍の頃。

少しずつ表現する時季は違えど、夏だけでもまだまだあります。
これらを使わないのは、非常にもったいない!

覚えきれないほどの表現があるのに、たった一単語「ヤバイ」で済ませてしまうのは、それこそヤバイと思うのです。

擬人化やオノマトペなど、他の言語にはなかなかないような面白い表現もあるので、ぜひ食レポをしながら、楽しく表現力を磨いてみてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
食レポは、実はとても高度な技術力が必要なお仕事です。
どんなメニューも、ポジティブに表現する方法を探して、その場ですぐに言葉を紡ぐグルメレポーター。
その瞬発力には脱帽です。

食レポという縛りをつければ、多少ポエムな言葉でも大丈夫!
恥ずかしがらずにレポっちゃいましょう。

ちょっと献立がマンネリしてきたなぁというときにも、言葉で遊んで美味しく食べてみませんか。