こんにちは!元テレビマンで二児の母、映像クリエイターのじゅりちゃんです。
先日、Sony presents DinoScience 恐竜科学博のレビューを書きました。
目玉であるトリケラトプス「レイン」の全身骨格組み立ての総監督を、佐藤弘康さん(ヒロさん)がされています。
普段はアトランタ在住で、このコロナ禍、化石とともにやってきたヒロさん。
以前私が働いていたテレビ番組の宣伝用写真も担当されています。
10年来の知り合いなのに、なかなかじっくりとお話するチャンスがなかったヒロさんに、今回は5時間にも渡り、根掘り葉掘りお聞きしました。
Sony presents DinoScience 恐竜科学博、9月12日まで。レインを拝むといいことあるよ!
目次
アメリカ育ちの日本人フォトグラファー佐藤弘康さん独占インタビュー
アトランタのカメラマンがなぜ恐竜おじさんに!?
じゅり「ヒロさん、お久しぶりです!今日はお時間ありがとうございます」
ヒロさん「本当に久しぶり!今日はありがとね〜。何でも聞いて」
じゅり「じゃあいきなり本題でいいですか。なんで化石の組み立てをすることになったんですか?」
ヒロさん「僕、ずっとアトランタに住んでいて、2011年から日本にも進出して、カメラマンとしてやってきたんだけど、コロナのせいでさ。2020年に日本の事業を畳んで、アメリカに引き揚げたの」
じゅり「大変な年でしたね」
ヒロさん「そして、アメリカでSilver Fox Production ATL, inc.という、映像、写真、グラフィックデザインにWEB制作、なんでもやる会社をつくったの。写真はずっとやってたけど、映像編集なんてド素人で、You Tubeとオンライン講座で学んだのよ。独学」
じゅり「独学ですか!?」
ヒロさん「失業してたから、時間はたっぷりあったわけ(笑)。それでコツコツやっていたら、お取引きのあったSONYの方から、今回の恐竜科学博のことでお声がかかったんだよね。」
じゅり「すごい!日本で積み上げてきた成果ですね。どんな依頼だったんですか?」
ヒロさん「ヒューストン自然科学博物館にある、トリケラトプスの化石を解体して組み立てるための、取扱説明動画をつくってくんない?って」
じゅり「いきなりハードル高!」
ヒロさん「でも運がいいというか、全然別の事業なんだけど、組み立て動画をつくるプロジェクトをやってたのよ。タイムラプスとか使って。だからなんとなく、どういうものか想像できたわけ。ビデオコンテ(絵コンテの動画バージョン)もあったし」
じゅり「ヒロさん持ってますね!で、すぐさまアトランタからヒューストンへ行ったんですね?」
ヒロさん「いやそうでもなくてさ。僕、2019年に心臓の手術をしてるの。で、ヒューストンのあるテキサスって全米でもトップ5に入るくらい、コロナ感染者が多くて。お医者さんに確認したよね」
じゅり「それは怖いですね。持病がある方は重症化しやすいっていいますもんね」
ヒロさん「そうなの。でも、僕の心臓病は、完治しているから、リスクは低いだろうってお墨付きをもらえたんだ。だから、すぐにSONYの方に、できますって返事して」
じゅり「よかったですね!」
ヒロさん「それで、動画だから、いい機材をガッツリ持って、ヒューストンへ行ったわけ。そしたら現場に、もうひとりビデオグラファーの子がいてさ。その人が、さあ撮りましょうって取り出したのが…これよ」
じゅり「まさかのiPhone!?」
ヒロさん「え?ってなるよね。こっちはきちんとした機材から照明から持ってってんのに。で、博士に確認したら、『なんでiPhoneじゃだめなんだい?』て、博士も胸ポケットからiPhoneを取り出すわけ(笑)」
じゅり「いやいや、まあ確かにキレイに撮れますけどね(笑)」
ヒロさん「それで、僕たまたまその時、使っていないものも含めて、iPhoneを3台持ってってたわけ。だから、充電とか容量の心配しないで撮れたんだよ」
じゅり「本当持ってますねヒロさん」
ヒロさん「でね、数分のものを想定してたのに、結局1時間20分の超大作になったのよそれが」
じゅり「すごっ。やっぱり化石ってすごい!」
ヒロさん「で、誰が日本に行って組み立てんのって話になるよね。コロナだし、博士は行けないし。僕しかいなかったんだよね」
じゅり「絵に描いたようなトントン拍子ですね(笑)」
ヒロさん「同時に、PR用の動画も必要だって話になってさ。組み立てのときに撮り溜めてた動画を使って7本作ったの」
恐竜の解体・組み立ての現場監督にビデオグラファーにと大忙しのヒロさんでしたが、7月17日のオープニングに合わせて、組み立てのために化石とともに来日。
夢だったスクランブル交差点を制した!
じゅり「ヒロさん、恐竜科学博の展示の、組み立てタイムラプス動画に映ってましたよね。本当に組み立て職人のオーラ出てましたよ(笑)」

恐竜科学博にて筆者撮影。
ヒロさん「よく見つけたよね(笑)。それでね、僕、2011年に来日したときからの夢があったの。」
じゅり「何ですか?」
ヒロさん「渋谷のスクランブル交差点に、自分の作品が飾られること。で、僕の撮った素材を使ったCMが、MODIのビジョンに流れたのよ」
じゅり「おおおーーー、スクランブル交差点まであと少し!」

MODIのビジョンからスクランブル交差点まで、約150m!
ヒロさん「そうなの。でも、そのCMの編集したのは僕じゃなかったから。それで新しくぼくが日本にきて撮影、制作したコマーシャルにすり替えられたの」
じゅり「まさか…」
ヒロさん「そしてついにそれが、スクランブル交差点の大型スクリーンに!叶っちゃったんだよね」
じゅり「おおおおおおおおおおお!!!!!」
ヒロさん「僕は元々フォトグラファーだから、まさか、去年から始めた動画で、スクランブル交差点の夢が叶っちゃうなんて思ってなかったんだ。しかも恐竜を撮ったり組み立てまでやるなんて、思いもしてなかった。10年かかったけど、夢を叶えたよ」
じゅり「すごい!10年来の夢が恐竜で叶った!!いや、実は私も、恐竜科学博に行ってレインを拝んだあと、それまでとは桁違いの、大口案件の受注がきたんですよ」
ヒロさん「レイン様のご利益…あるかもね」
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と、ここまで来たところで、皆さんヒロさんって何でこんなにスゴイのって思ってるのではないでしょうか。
私も気になってました。
以前私がやっていた番組の宣伝用写真を撮りに、わざわざアメリカからフォトグラファーがやってくると聞いたときには、どんな巨匠が来るんだろう!?とざわつき。
でもめちゃくちゃフレンドリーな、いや、正直いうと、初対面からめちゃくちゃ距離感が近すぎるお兄さんが来て、すごくいい写真を撮って、颯爽とアメリカに帰ってゆく。芸能人にもお友達が多い。
ヒロさんって何者?
なんでそんなに毎月のように、日米往復できてたの?
10年来の疑問を、思い切ってぶつけてみることにしました。
ところでヒロさんって何者?
じゅり「前から気になってたんですけど、ヒロさんの半生についてお聞きしてもいいですか?」
ヒロさん「いいよ。僕は、イギリスで生まれて、アメリカで育ったんだよ。だから日本人だけど、和食は得意じゃないの」
じゅり「和食って確かに、クセありますよね(笑)。小さい頃から食べてるから食べ慣れてるだけかも」
ヒロさん「僕は小さい頃から食べてないからね(笑)」
じゅり「イギリス生まれ、アメリカ育ち…すごいですね。ご両親のお仕事ですか?」
ヒロさん「そう。父が銀行に勤めていて、駐在員だったんだよね。だから、数年に1回転勤するの。ロンドンで生まれて、日本に戻って、8歳のときにロサンゼルスに引っ越したんだよ」
じゅり「わぁ、なんか華やかだけど、めまぐるしいですね」
ヒロさん「でね、9歳のときに、母がカルトに入信しちゃったの。」
じゅり「えっっっ!?」
ヒロさんの人生は、私が想像していたような、華やかでエリートなものとは全く違っていました。
このとき既に、開始してから1時間近く経っていました。
そして、合計5時間にも及ぶインタビューへと突入していくのです。
つづく!
佐藤弘康さん関連リンク
Silver Fox Production ATL, inc.
アトランタにあるヒロさんの映像制作会社のウェブサイト。日本からアメリカに進出したい方、日米で事業をやってみたい方、カッコいい映像や写真、ウェブサイト制作、ぜひヒロさんに相談してみてください!
ヒロさんの制作した、スクランブル交差点を制したプロモーション動画。
Sony presents DinoScience 恐竜科学博、9月12日まで。レインを拝むといいことあるよ!