【持続可能な女性の生き方】素敵ママコミュニティを訪ねてみた

小さい頃の夢が、20代・30代になるにつれて削られていく。ガラスの天井。母親。自己犠牲。子どもが小さいうちは…。そんな、女性を取り巻く環境を変えていこうと生まれた、「持続可能な女性のためのコミュニティ」を取材しました。

こんにちは! 元テレビマンで二児の母、じゅりちゃんです。
まだまだコロナが予断を許さないこの頃。
今回は、品川区の小さな商店街で、産声を上げたばかりのプロジェクト「素敵ママコミュニティ」を訪ねてみました。

京急線・立会川駅徒歩2分の立地にある、ママと乳幼児が主な利用客の親子サロン「Mother Nature’s Son」(通称:マザネ)。
マザネの店長で、ご自身も二児の母である、さわだかなさんが立ち上げた「素敵ママコミュニティ」。
本来、4月に発足する予定でしたが、コロナによる営業縮小を余儀なくされ、3ヶ月遅れの7月1日に満を持してスタートしました。

「素敵ママコミュニティ」、なんだかキラキラした名前ですが、一体何をするところなのでしょうか?

マザネの店長兼素敵ママアンバサダーの、さわだかなさん。

「母親=自己犠牲」から脱却! 素敵ママコミュニティ

モヤモヤした母親のための場所を作りたい

さわださんが、ごくごく普通の会社員だった20代の頃。
人事の仕事に打ち込み、恋愛に振り回される、ごく当たり前の日常を送っていました。

転機は、コンサルティングの師匠に出会ったこと。
「尊敬できる人を見つけたいなら、人に会いまくれ」とアドバイスを受け、そこから生活が激変。
時間をつくっては、人に会って会って会いまくり、その数、述べ1万人。
結婚し、お子さんを出産後、しばらくは母親業に専念していましたが、「自分の夢をもう一度がんばりたい」と、マザネを開業、親子サロンとして運営します。

マザネの利用者の大半が、育休中の母親。
彼女たちの多くが、モヤモヤを抱えたまま生きていたり、仕事に復帰していく姿を見て、さわださんは、「ママたちが、大好きなことをして生きていける場所をつくろう」と決意します。

スーパーウーマンでなくてもいい

「女性が、一生をかけて、大好きなことをして生きていく」

それは、簡単なようでいて、とてもハードルが高いことを感じます。

「結婚したんだから、仕事はセーブすべき」
「母親になったんだから、家族のために生きるべき」
「子どもが小さいうちは、自分の好きなことはあきらめるべき」

小さい頃ワクワクしていた夢が、そんな「べき」に少しずつ少しずつ削られ、20代後半、30代になる頃には、小さな石ころになってしまうというのを、私も実感しています。

そんな壁をぶち破れるのは、ほんの一握りの、強い意思を持ったスーパーウーマンだけなのか?
小さなモヤモヤを抱えた女性の背中を押すことはできないか?

「素敵ママコミュニティ」では、さわださんの人を見る目を磨いた経験を生かし、

「何か始めてみたい」
「モヤモヤしているけど、具体的にどうすればいいかわからない」

そんな母親たちに向けて、自分を見つめ直すワークショップを行っています。
グループワークを行う中で、自分の強みや好きなことは何なのかを見つけ、仲間と一緒に一歩踏み出せる、そんなコミュニティを目指しているそうです。

ワークを終えたあとも、さわださんのサポートを受けられます。
既にビジネスを始めている人、始める一歩手前の人、大好きなことを見つけにくる人。
様々な母親たちが在籍し、つながりあうことで、コミュニティの多様性が広がっていきます。

子どもは親の思い通りには育たない

さわださんが、多くの母親にする質問があります。

「あなたは、親の思い通りの人間に育ちましたか?」

すると、大半の人は、「いいえ」と答えるそうです。

「私もそう。だから、私の子も、私の理想通りにはきっと育ってくれないと思ってます」とさわださん。

「こんな子に育てたい」

責任感のある親ほど、そう思って、子どもに想いを託してしまいがちです。
だけど、「子どもは親の思い通りに育たないと割り切って、親が自分の好きなことをやっている背中を、子どもに見せる生き方もあるよ」と、さわださんは言います。

私も、第一子の娘のときは、妊娠中から予想外の展開ばかりでした。
極めつけは陣痛促進剤も全く効かず、「まだ生まれたくないんだけど」と言わんばかりの娘の強い意思を感じて「理想通りにならないもんだな」と思った経験があります。

結局帝王切開になり「がんばったね」と皆言ってくれましたが、のたうち回るような陣痛も経験せぬまま、何だかモヤモヤしていました。
だけど、「無事に産んだからよかったじゃん」と考え直すことにして、いろいろと受け入れることができるようになりました。

そんな娘ももう5歳、ますます親の思い通りにはならなくなりました。
娘が、マインクラフトの建築に打ち込む姿を見て、私にできることは、「スゴイ建物を建てておくれ」とそっと応援することだけです。

「子どもは親の思い通りにならない」という割り切りは、「親の期待に応えなければ」というプレッシャーから子どもを解放すると同時に、悩みながら子育てをする親自身も救われるのではないか、と、さわださんと話していて思いました。

子どもの創造力は無限大【マインクラフト】自由にプレイしたら狂気の才能が開花

まとめ

素敵ママコミュニティのメンバー同士で繋がり合って、新たなビジネスが生まれるなど、良い化学反応が起きることが、さわださんの目標のひとつでもあります。

たった独りで一歩踏み出し、持続させることはとても厳しいですが、業種は違っていても、母親同士という共通点を持った仲間と切磋琢磨し、お互いさまの精神で進んでいく。

これは、持続可能な社会のひとつの形ではないでしょうか。

 

素敵ママコミュニティ