広報初心者が失敗する全部盛りプレスリリース

プレスリリースを制作するとき、開発担当者や営業、マーケなど、いろんな部署から情報やリクエストが来て、情報過多の“全部盛りリリース”になってしまった失敗はないでしょうか? 広報歴12年、1000本超のリリース制作実績のある現役PRマンが、プレスリリース制作において重要な情報の整理の考え方をご紹介します。

こんにちは!作り手の思いを届ける翻訳家、KEIKOです。「思いをカタチに」をテーマに、PR、ブランディングをしています。

プレスリリースは、メディアに情報を届けるツールです。
新商品やサービスの情報を、”本当に届けたい人が好んで見るであろうメディア”に届けることを目的とする、広報の重要な仕事のひとつです。
今回は、その制作における情報のキュレーションについてご紹介します。

参考>広報初心者のためのプレスリリースで押さえておきたい3つの大前提
https://rim.guildproject.com/column/3505/

プレスリリースを作成するとき、開発者などから情報を集めると、たくさんの情報が集ります。
開発者の当事者は、どっぷりとその世界に入り込んでいるため、それらの優先順位をつけるのが難しくなってしまいます。
プレスリリース作成者は、情報の全体を俯瞰でとらえつつ、
当事者とは異なる第三者の視点で、メディアにとって本当に必要な情報が何かをで見極めて、ピックアップし、キュレーションしていくことが重要です。
情報は多ければ多い方が良い、が必ずしも正解ではないのです。

 

STOP! “全部盛り”!

メディアは、「何がニュースなのか」、「それは読者に有益か」という尺度で情報を判断します。
プレスリリースでは、それらを簡潔に伝えられるように構成する必要があります。

プレスリリースを作るために各所から情報を集めてみると、
どの情報も大事に思えて、ひとまず全部載せてみた!という“全部盛り”を作ったりしてませんか?
STOP! “全部盛り”!です。

ラーメン屋さんの全部盛りはワクワクしますが、
毎日数百通のプレスリリースを受けとるメディアにとって、
情報てんこ盛りなリリースは、二日酔いの朝の全部盛りラーメンのようなものです。
そこに目を向けないしですし、そこに目が止まりません。
白ヤギさんや黒ヤギさんのように読まずに、、、捨てられてしまいます。

 

メディアは、「何がニュースなのか」、「それは読者に有益か」という尺度で判断します。
それらを簡潔に伝えられるように構成する必要があります。

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〇〇〇〇がニュースです!
ニュースの中身はこんな感じです。
そのニューは、人々に〇〇〇〇をもたらします。
ちなみに、そのニュースのプロフィールはこんな感じです。
詳しくは、コチラを見てね。
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新商品や新サービスのプレスリリースであれば、情報の構成要素はこんなイメージです。
情報がたくさんあるときは、全部盛りで本当にOKなのか?と、立ち止まって考えてみてください。

 

情報をスリム化する2つのステップ

①まずは、思いの丈をヒアリング


「内容」と「思いの丈」を充分に引き出すには、3つのポイントがあります。

(1)ファクト:いつ、どこに登場する、何なのか。
(2)市場優位性:他社商品に対する優位性はどんなところか。
(3)開発背景やストーリー:何が大変だったか。何が盛り上がったか。

このほか、ヒアリングでは、
担当者がどんな顔をして、どんなテンションで話しているか、などにも注目しながら聞くと、情報の熱量がわかります。

自分の知らない業界のプレスリリースを制作するときも、
この3点を押さえたヒアリングが有効です。

②次に、引き出した情報を分類してラベリング

分類されたそれぞれのカテゴリーの価値は何か、あらためてシンプルに「ラベリング」してみる。
この時、「何がニュースなのか」、「それは読者に有益か」というメディアの視点を念頭に置いて作業することが大切です。

先日、コンセプト型ライフスタイルマンションの竣工に関するプレスリリースの制作について、ADDReC株式会社の小山さんからご相談をいただきました。

マンションの価値を伝える時、その要素は多岐に渡るため、コンパクトにまとめることが難しく、さらに、それを広く一般に届く言葉へと言語化するのが難しい、というお悩み。
小山さんはコンセプト設計にも携わっていたため、そのマンションには、思いもたくさん詰まっていました。

小山さんへのヒアリングで得た情報は、
「設備に関する要素」、「そこに住まう人の情緒」、「業界における新規性」の3つのカテゴリーに分けてラベリングすることができました。
そこから、このマンションの提供する価値は、
「大切な存在と1秒でも長く、快適に暮らすことのできる、これまでにない設備とサービスを提供するマンション」であると導き出すことができました。

この中で、最もメディアのフックになるのは、
『これまでにない設備とサービスを提供するマンション』です。それが、今回のプレスリリースで届ける「ニュース」です。
それ以外の情報は、このニュースを修飾するパーツで、ニュースと同等に肩を並べる扱いではありません。

たくさんある情報をキュレーションして届けるのがプレスリリースなのです。

 

第三者視点で価値を見える化する

外に向かって情報を発信するときには、第三者視点というのがとても大切です。
マンションの竣工に関するプレスリリースは、配信後に予想を上回る問い合わせが入ったと、ご担当者の小山さんからコメントをいただきました。

膨大な要素で複雑に構成される建築物の価値をコンパクトに伝えることが難しいです。
数百ページの資料や図面tと長い時間が作り上げる価値を、わずか2ページ程度のプレスリリースにまとめるのは至難の業でした。
それを1時間足らずの打ち合わせで全体を捉え、コンパクトかつ伝わりやすい表現で言語化する専門職の技に驚きました。
プレスリリース配信後の市場の反応も高く、施主の満足度もとても高かったです。

素晴らしい製品、あふれだす開発者の思いを世の中へと出していくために、
当事者には難しい第三者視点で情報をキュレーションする。

広報が作るプレスリリースは、単に情報をザクザクと削ぎ落したものではなく、たくさんある情報を磨き上げた結果コンパクトになった、みんなの思いが詰まった宝石のようなものです。
広報だからこそできる、価値の見える化です。

まとめ

広報は、素晴らしい製品、あふれだす開発者の思いを一人でも多くの方々に届ける役目を担っています。
情報を第三者視点でキュレーションして、
全部盛りのモリモリラーメンではなく、個性際立つ研ぎ澄まされた1杯を作るように、
プレスリリースを作ってみてください。
「何がニュースなのか」、「それは読者に有益か」を明確にメディアに届けましょう。
メディアのその先にいる人たちが、きっとその製品を待っています。

 

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