【マジ検証】半沢直樹が面白い理由は、「顔面」の多さにあり!?

やられたらやり返す…倍返しだ!後半戦の帝国航空編に突入し、ますます目が離せない半沢直樹。私は、このドラマが人を惹きつけるのは、顔の多さ(クロースアップの多さ)なのではないかという仮説を立てて検証することにしました。渾身の検証結果と、会話劇に大切な「イマジナリーライン」について解説します。

こんにちは! 元テレビマンで二児の母、じゅりちゃんです。
毎週末になるとウキウキしています。
そう、それは、半沢直樹が好きだから!

みんな好きですよね。
なぜこんなに、半沢直樹が楽しみで仕方ないのか。

テンポの良さ。勧善懲悪のわかりやすいストーリー。たまに結構スレスレなことをして、ヒーロー感を出しながらも、あくまでいちサラリーマンという半沢直樹の立場…。

理由はたっっっっくさんあると思うのですが、私は一つの仮説を立てました。

それは、顔面です。

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仮説

半沢直樹は、クロースアップ(顔に寄ったカット)が、とても多い。
よって、人々を惹きつけてやまない。

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これを、検証していきます。
しばし、お時間拝借できれば幸甚です。

目は口ほどに物を言い、眼力は人を惹きつける

半沢直樹はクロースアップが多いのか検証

半沢直樹のドラマを観ていて皆さん感じるのは、「顔面のカットが多い」ということではないでしょうか。

首から上のサイズの映像を「クロースアップ」といい、テレビ業界では「ヨリ(寄り)」と呼びます。
(もしかしたらバラエティだけかも。ドラマやったことなくて…アハハ…)

この記事では、呼び慣れた「ヨリ」で統一させていただきますね。

ヨリが使われるときは、流れの上で、重要なところです。

会話の盛り上がるところ。愛の告白の瞬間。夫の秘密を知ったとき。

だから、視聴者の目線も自然と釘付けになります。

これが自然と身についている私たちは、ヨリを多用している半沢直樹から、目が離せないんじゃないか。

 

ここで気になるのが、歌舞伎俳優陣。

香川照之さん。市川猿之助さん。片岡愛之助さん。尾上松也さん。錚々たる面々。

歌舞伎俳優の眼光が鋭すぎるから、ヨリが多いと感じているだけなんじゃないのか?

本当は、そんなに多くないのかもしれない。

 

【仮説A】

ヨリのカット数が他のドラマに比べて多い。

【仮説B】

ヨリのカット数自体は多くなく、歌舞伎俳優の芝居の濃さに目が離せない。

 

後半戦の帝国航空編スタートである「半沢直樹第5話」

対するは、同じ福澤克雄監督の、人気サラリーマンドラマ「下町ロケット第6話」(こちらも後半戦のスタート回)

両者を比較してみます。

あくまで私調べであり、誤差は生温かい目で見守っていただければ幸いです。

仮説の検証結果

  • ヨリ→首から上
  • バスト→胸から上
  • ミドル→膝や腰あたりから上
  • ロング→全身や、それ以上に広い画
  • 人物以外→物・製品

半沢直樹第5話と、下町ロケット第6話の比較

結論。

予想通り、ヨリは多かった。

細かく見ていきましょう。

  • 半沢直樹は、ヨリのカット数が、下町ロケットの約2倍
  • 各々の総カット数に占める割合は、31%と、半沢直樹は下町ロケットより10%も高い。
  • 逆に、下町ロケットでは、ロングショット(広い画)と、人物以外の物の画が多い。

理由を考えます。

2つのドラマの大きな違い

下町ロケットの場合

  • 工場や田んぼがメインとなるため、広い画が多くなる。
  • 製造業のため、製品のカットが多くなる。
  • やり返すべき相手が半沢ほど多くない。

 

半沢直樹の場合

  • 帝国航空は輸送業だが、経営立て直しがメインのため、基本会議室で進行。広い画はあまり必要がない。
  • 金融業のため、基本的に製品がない。
  • 周りが敵だらけで、しょっちゅうやり返さないといけない。

そして、半沢直樹は、総カット数そのものが、下町ロケットの約1.3倍となっています。

これは、ヨリのカットでの会話劇が多いので、テンポ良くするために、カットバックが増えるからではないかと推測します。

※カットバック=人物AとBのカットを交互に切り替えること。

あるいは、感染症対策を行いながら撮影を進めないといけないため、ヨリが多くなっている可能性もあります。

今年ならではの撮影方法の可能性

本来なら、シーズン1と2を見比べなければ判断できないので、ここからは、完全に私の推測になることを、ご承知おきください。

1枚の画の中に複数人を入れて会話させる場合、役者同士の距離感はどうしても近くなります。

飛沫感染を防ぐために、ソーシャルディスタンスを取りたいのだけど、2m離れて会話する画ばかりになったんじゃ、ちょっと緊張感が足りなくなってしまいそう…。

そこで逆に、カメラが寄ったのではないかと思うのです。

ヨリにして、向き合っている人物がフレームに入らないようにしてしまえば、2人の距離はリアルよりも離すことができます。

映り込まないように、アクリル板を立てておくことも可能なんじゃないかな。

(まあ、タクシーに3人密集して問い詰めるシーンもあるので、何とも言えないのですが…。)

そして、ヨリのカットが増えたことで、アレが楽しめるようになったのかもしれません。

歌舞伎俳優陣の顔芸

コレです。
大和田さんは明らかに、前シーズンよりも顔で遊んでいる気がします。

 

結果から導き出された考察

半沢直樹は、確かにヨリのカット数が多い。

元々の眼力のある歌舞伎俳優陣が、顔芸しやすい環境であり、視聴者はますます目を離すことができない。

 

シーズン1と2のカットの割合も比べてみたいですが、それはまたの機会に…。

さて、次の項では、会話劇を撮るときの決まりについてお話しますね。

会話劇を撮るときの大原則「イマジナリーライン」

ヨリが多い半沢直樹に重要な、イマジナリーライン

撮影用語に、「イマジナリーライン(想像上の線)」というものがあります。
会話劇を撮るときは、この線を越えないようにしなければなりません。

俯瞰(真上)から見た図です。

イマジナリーラインとはつまり、スクリーンやテレビ画面に見立てて、2人の人間の立ち位置をはっきりさせるための、架空の直線です。(線より、面と言うべきか。)

イマジナリーラインの向こう側(181〜359度)にカメラが越えてしまった場合、人物の位置が逆転したように見えてしまい、視聴者が混乱します。

会話劇のシーンでは、右寄りに向いている人と、左寄りを向いている人は原則固定されます。
これは、イマジナリーラインを守らなければならないからです。

電話のシーンで、2人が同じ空間にいなかったとしても、一方は右、もう一方は左を向いていることが多いです。
2人が同じ方向を向いてしまうと、会話をしていないように見えてしまうからです。
イマジナリーのイマジナリーみたいな感じでしょうか…(なんのこっちゃ)

イマジナリーラインを越えてしまうと、視聴者が混乱しやすいので、よほど意味を持たない限りは守りましょう。
余計なことが気になって、ストーリーに集中してもらえないのはもったいないです。

となると、3人以上が円卓を囲んでいるシーンだとどうなるか、気になりますよね。
この場合はよく、イマジナリーラインを変えながら会話が進んでいきます。

イマジナリーラインが変わるときには、以下のような手法で、位置を把握できるようになっています。

  • 複数人が一緒の広めのカットを挟む。
  • 向き合っている人物の肩越しに撮る。

 

イマジナリーラインを学ぶには?

ちなみに、イマジナリーラインのスゴイ映画で有名なものは、

十二人の怒れる男1957年/米国)

なんてったってロングテーブル囲んで12人ですから!

私の稚拙な説明よりも、この映画を見れば解釈が一発でわかりますよ!
フィルムスクールでイマジナリーラインの授業のときに、先生からオススメされました。

3枚とも、IMDb:十二人の怒れる男から引用

殺人事件の容疑者の有罪・無罪を巡る陪審員たちの密室劇です。
古い白黒映画ですが、ワン・シチュエーション・ドラマの勉強には最高の映画。
テーマ自体、とても考えさせられるので、まだの方はぜひ観てみてくださいね!

 

改めてみたらスゴイ良質な「妄想ムービー」だったという発見がありました!

観客の妄想力が試される映画【十二人の怒れる男】- 大切なことは映画が教えてくれる

まとめ

いかがでしたでしょうか。
私見が多分に入ってしまったところがありますが、こういう仮説を立てながら見る楽しみがあるのも、私が半沢直樹を好きな理由の一つです!

下町ロケットと合わせて、約3時間かかってカット数を数えたからと言って、決して暇なわけじゃないんですよ〜〜!(言い訳ですけど)

今週も、半沢直樹が楽しみです!

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