【動画撮影術】自分の感性を、視聴者が観たくなるように表現するために

今回ご紹介するものが、王道の動画撮影術かと言われれば、全くそうではありません。だけど私が、ハリウッドのフィルムスクール(映画学校)や、テレビ業界で学んだ、「映像制作者にとって、もっとも重要なポイント。」それをまとめてみました。

こんにちは! 元テレビマンで二児の母、じゅりちゃんです。
今回は、映像制作の中でとても大切な「観たくなるように撮る」方法について考えてみたいと思います。

私が15年の映像制作人生の中で試行錯誤してきたもので、王道ではないと思いますが、参考になれば幸いです。

さて、「動画撮影 方法」などで検索すると、「プロっぽく撮る」や、「こんな機材がいい」という記事はよく見かけるのですが、私が映像制作に最も大切だと思うことは、少し違います。

それは、「自分が面白いと思ったものを、視聴者が観たくなるように撮る」ことです。

カッコイイ映像、洗練された映像を撮るためには、映画を観て勉強したり、何度も何度も練習をしなければなりません。
ですが、そこに「自分の想い」がなければ、「誰かが生み出した技術の二番煎じ」に過ぎないと思うのです。

これらを踏まえ、今回は「(自分の想いを込めつつ、視聴者が)観たくなるように撮る」ためにどうすればよいか、考えてみます。

【観たくなるように撮る】4つのポイント

ワンカットで完結するように撮る

編集しなくて済む映像が最高の映像

ハリウッドのフィルムスクールでまず習ったことが、これでした。
映像は本来、想いを乗せて伝えるためのツールです。
だから、それを切り刻む編集点は、できるだけ少ないほうがいい。

だけど、それでは複雑なストーリーは語れないし、「ほぼほぼ平坦で、最後にちょっと事件が起きる私の1日」をノーカットの映像にしたって、誰も面白いと思ってはくれないでしょう。

テンポよくストーリーを見せて、視聴者を飽きさせないために、編集技術は生み出されました。
カッコイイ編集は、視聴者のワクワクを刺激し、モチベーションを持続させるために大切な技術です。

ですが、撮影術の基本は前述の通り、「ワンカットで完結するように撮る」
これは、時代が変わっても、不変の大原則だと思うのです。
だからまず、学生が習うのでしょう。

ワンカットで完結するように撮ることを繰り返し練習するのは、とてもよい訓練になります。
日常や旅先で撮る映像も、短くわかりやすいものにする瞬発力を磨くことができるから。

さて、以上を踏まえて、私の全米デビュー作を例に挙げたいと思います。
なんのこっちゃない、ただのフィルムスクールでの処女作です。

「Stranger(不審者)」無音映画(50秒)

 

面白いと思ったことを強調して撮る

面白いと思ってるところは膨らませる

私の全米デビュー作をご視聴いただき、ありがとうございました。
話がくだらなすぎて失笑された方、お目汚しすみませんでした。

さて、私が笑ってほしいのはもちろん、不審者がバート・シンプソンだったというところです。
(記事なので仕方ないですが、自分が作った話の笑いどころの解説は非常に恥ずかしい。穴掘って隠れたい。)

この手の話は使い古されたストーリーなので、やるかやらないか迷いました。
しかし、全米デビューするにあたって、「振って、振って、落とす」の、ニッポンの笑いの定番がハリウッドで通用するのかということを、試してみたかったのです。

さて。「面白いと思ったことを強調する」について説明します。

バートはこの話の核なので、際立たないといけません。
しかしフィルムは白黒。
黄色い顔も白く映っちゃいます。

だから、190cmほどある体の大きなクラスメイトに被ってもらいました。
(彼は頭もでかくて、バートの後頭部が破れてしまったのはご愛嬌です)

面白いと思ったところは、強調する。
漫才コンビが、大ボケで声を張るように。

なぜなら、レンズを通すと、現場で感じたインパクトが、一回り小さくなってしまうのです。
強調は、わざとらしくなることと紙一重ではありますが、やらずに後で後悔するよりも、振り切ったほうがいいと思います。

周りよりも大きく、カラフルに、動きをつけたり、逆に静止してみたり。
周りと対比が起こるように、際立たせましょう。

見返して、わざとらしいなと思ってしまったら、原因を探り、良い塩梅を見つければ良いのです。

オチがわかるように撮る

オチを伝えるためには積み上げが大事

意外と忘れがちなのがここです。
言いたいことが伝わらない場合、オチまでの積み上げが甘い事が原因の一つです。

積み上げとは、一番の面白がりどころで抱いてほしい感情へ向かうグラデーションだったり、逆にコントラストだったりするものです。
ホップ・ステップ・ジャンプ的な。

これを怠ると、オチが伝わらず消化不良を起こして、視聴者がモヤモヤしてしまうのです。
また、撮影クルー内での内輪の笑いのような印象を与えてしまい、視聴者をしらけさせてしまいます。
こうなると非常に残念です。

さて。再び、Strangerの解説にお付き合いください。

まず、私演じるピザ・ガールで、「頑張って配達している女の子」を演出して共感を得やすくしています。
配達先がわからないピザガール。
2人の忙しそうな男性に親切にしてもらえず、ぴえん。

積みは2回。
三段落ちの手法です。
この話自体が古典的なため、奇をてらわずに王道に乗っかりました。

十分コントラストが積み上がってきました。
さあ、オチに向かいます。

困っているところに、声をかけてくれた男性。
振り返ると恐怖におののき・・・

えっ、何? 何?

走り去るピザ・ガール。

まだ溜めますよ、オチの男性はまだこっち向いちゃいけません。
でも後頭部で何となくバートってにおわせる。

ピザを拾い上げてやっと顔こっち向いた。

 

やっぱりバートかよ、ピザ持っていくのかよ、くだらねー!

(これが、視聴者に抱いてもらいたかった感情)

バートには、ピザ・ガールが去ってから動いてもらうようにしました。
画面の中で動きが2つあると、視聴者の目線がバラけて、最重要ポイントに引き付けられないからです。

(でももう1秒溜めたほうがよかった)

コケても胸を張ればいい

コケたらまた起き上がって撮ればいい

応援ソングの歌詞ではありません。
視聴者から思ったような反応がなかったら、もちろん傷つきはしますが、それでも胸を張って前を向きましょう。

話がわかりづらかったのか、積み上げが足りなかったのか、オチにインパクトがなかったのか、テーマに魅力がなかったのか、はたまた告知が不十分だったのか…。
原因を探って、改善して、また撮ればいいんです。

コケたってスベったって、自分の想いを形にして、人の目に晒した時点で、十分称賛に値する行為です。
「私の面白さを誰も理解してくれない」と腐らず、より良く伝わる方法を探して立ち上がりましょう。

現にこの話だって、動画へのいいねは1個もついていません。
よ、よかったらいいねしてね(涙目)

改めて見返して、Strangerの反省点は、ピザ・ガールに二度見させなかったことです。

「させなかったって、あんた自分で演じてるやん!」と思われた方。

そうなんです、驚いたときの創造力が足りなかった。

いや、自分では十分に驚いているつもりだったのですが、強調が足りなかったんです。
芝居ができてなかったし、それを客観視することができなかった。

「監督オレ・主演オレ」は私には不可能だということがよくわかった全米デビュー作でした。
若輩者が非常におこがましいですが、クリント・イーストウッド監督や、北野武監督の凄まじさを、身を以て実感しました。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
面白いと思うこと、これを人に見せたいと思うこと、それらを相手に伝えるためには、非常に試行錯誤が必要です。

大切なのは、製作者に情熱があるかどうか。
情熱があれば、きっと(わかりやすいかわかりにくいかは別として)視聴者に伝わります。
わかりにくさに悩んだら、好きな映画を観て学びましょう。
映像ってきっとそういうものだと思うのです。

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