これまでの研究者たちが、経営を学問として論文を発表してきました。ある意味、新しいことを発表するのは、それまでと異なったことを伝えるので、反論がたくさんあったかと思います。
それでも、今こうして語り継がれている論文には、その時代に影響を及ぼし、本質的であったからと思います。しかしながら、勉強するにも膨大すぎます。そこで今回、自身の目的に合わせたり、論文が発表された背景といった歴史から勉強できる経営学に関連する5冊ご紹介します。
目次
この1冊で全てわかる 経営戦略
これから経営学を勉強しようと思っている人、勉強したけど、実践につなげるには、実際にどう使えばいいかいまいち実感が沸かない人向けです。
そもそも「戦略」とは何を指すのでしょうか?から始まります。PEST、3C、SWOT、VRIOなどのフレームワークの紹介に留まらず、事業銭楽の勘所、全社戦略の策定、企業競争力を高める創発的戦略など、より実務に近い形で分かりやすく書かれています。基本と書かれているので、入門的と思われがちですが、実務本として十分、重宝します。
経営戦略の歴史を網羅する
経営学を改めて学問として、学びたい方には、必須だと思います。この数十年間の経営戦略史も簡潔に語れば、「60年代に始まったポジショニング派が80年代まで圧倒的で、それ以降は、ケイパビリティ派が優勢」となります。と書かれています。
この歴史があって、歴史上で言われてきたことを破壊してきたのが、現代のイノベーション論の構造と思います。経営学を一通り学ばれた方の総仕上げとしても良いかもしれません。
コア・コンピタンスを実現する
経営戦略論 Harverd Business Review 編者
ケイパビリティを集中して学びたい方はこちらをお奨めします。コア・コンポタンスという企業の中核となる強みを見つけ、経営資源や事業、組織と連動させ、市場へ展開させる考え方が深度のある思考で書かれています。ウォルマート、ホンダ、ディズニーなど興味深いケースも書かれていて、固まっていく脳を和らげてくれる感覚もありました。
前提を知ることでフレームワークに手触り感が・・・世界標準の経営理論
世界標準の経営理論 入山章栄氏著
ビジネスパーソンにとっての思考の軸として、研究者、コンサルタントのガイドブックとして、経営学に興味のある学部生向け経営理論の教科書として、と書かれています。
さらに、私にとって新しい気づきが得られたのは、フレームワークには、その前提があり、前提を覆すことを新しいフレームワークが生まれていたことです。前提が覆るのは、社会背景や技術革新、経済発展、政治動向といった環境の変化によるもので、その環境をいち早く捉えることかもしれません。
偉人の叡智を武器とする
最高の成功哲学書 世界史 神野正史氏著
少し趣向が変わりますが、直面した試練を乗り越えていく偉人たちのリーダーシップ、戦略、戦術、交渉、駆け引き、意思決定が書かれています。ナポレオン、ユスティニアヌス大帝、上杉謙信、劉邦など、古今東西23名の名のある偉人から人生訓を読み解きます。
まとめ
インプットしたら、必ずアウトプットです。そしてその量は大量に、その速さは高速でありたいものです。そして、学者、研究者、偉人たちから、意志の強さを改めて学びました。