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プレゼン相手をうならせろ!例え話上手になる方法【ものの見方が変わる 座右の寓話】

日常会話やビジネスシーンなどで「例え話」を使ってメッセージを表現する場面、的を得た表現や丁度良いお話を引用するのに「なんて言ったら伝わりやすいかな?」と考えてしまうことってありませんか?今回は、そんな例えの引き出し強化にも役立つ、世界の小話が盛りだくさん入った本をご紹介します。

プレゼンやスピーチの時など、難解な内容を伝えたいときに、たとえ話を用いて紹介されると、そこで意図されているメッセージが分かりやすい場面ってよくありますよね。

「塵も積もれば山となる」「怪我の功名」「風が吹けば桶屋が儲かる」や「海老で鯛を釣る」など、よく耳にし思い浮かぶことわざにも背景にはストーリーがあります。

海外の例も含めてこのようなストーリーをずらっと紹介している書籍が「ものの見方が変わる 座右の寓話」です。あらすじとそこから得られる教訓が分かりやすく書かれていて、自身の会話や資料作成時のネタのヒントとして活用できるかと思います。

今回は、本書の中で70個以上挙げられている寓話の中から筆者の好きなものを3個だけ選び、見解とあわせてご紹介していきます。

 

あるあるネタの宝石箱や~!さっと例えで使ってみたくなるストーリー3選

『生クリームに落ちた3匹のカエル』

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3匹のカエルが生クリームがたっぷり入った桶の中に落っこちてしまいます。

1匹目のカエルは、神頼みスタンスをとります。「これは神様次第だ」と開き直り、何もせずにいたところ、速攻で息絶えます。

2匹目と3匹目は全力でもがきますが、ずっと同じ場所で浮き沈みを繰り返すだけ、次第に2匹目はキレてしまいます。「どうせ死ぬのに、辛い思いしてもがく必要ある?割にあわない!」と、もがくの止めた2匹目は沈んでしまいます。

最後に残った3匹目のカエルは、希望を捨てずにひたすらもがき続けました。

ずっと足でかき回し続けたことで、何と生クリームが固形のバターに変化、最後はバターの上からジャンプし桶からの脱出に成功!めでたしめでたし、というお話です。

 


 

苦境でも最後まで諦めなかった人が勝者になった、というネバーギブアップ精神は大事さを示したよくある教訓ではありますが、それぞれの性格の違いが異なる結果をもたらした、という教訓が分かりやすく表されています。

1匹目と2匹目は少し性格は違ったものの、最終的に諦めたのでどちらも助からなかった。3匹目は諦めなかったところ、元々は生クリームとの戦いだったものが、最後にバターという武器に変化した。単純に諦めなかったから救われただけでなく、物事を続けることで想定外の環境変化の可能性がある、ところまで含まれているところが秀逸で、良い例えだなと筆者は思いました。

困難なプロジェクトで心折れそうになっている同僚がいたら、「生クリームに落ちた3匹のカエル」って知ってる?という感じで、励ましの言葉を掛ける切り口にする、というような使い方もできそうですね。

 

『握り飯の近道』

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昔、何事もショートカットすることをモットーとしている男が、一人旅をしていました。途中で便意(大)をもよおしてしまい、公衆トイレに駆け込みます。旅の途中でトイレに時間を使ってしまうことは、ショートカット命の男にとって、時間の無駄であり非常に苦痛です。

そこで「そうだ、あとで昼飯の弁当を食べるから、今一緒に済ませてしまえば超効率的!」というアイディアを思いつきます。

弁当の握り飯を取り出しますが、その瞬間に誤って便器の中へ一直線にカップイン、しばらく悔しそうに便器を眺めていますが、男は、はっと気づいて横手を打ちます。

「どうせ口から入れたものを、下から出すのだから、最初からここへ入れるのは最高のショートカットだ」と男が思った、というお話です。

 


 

極端な効率主義への風刺、「回り道の必要性」をユーモア交えて表した面白い寓話だと思います。徹底的な合理性、効率性を追求し過ぎるタイプの人って、職場、友人や家族など身の回りで思い当たる人っていませんか?

そんな人達の効率化のアイディアをよくよく聞いてみると、全体のバランスが無視され、局所的な最適化にしかなっていない、そんなケースって結構少なくないかと思います。

最近はコロナ影響下で、テレワーク・リモート勤務で移動時間が減り、業務連絡もツールで一通り事足りてしまう状況ですが、オフラインでのちょっとした絡みや雑談など、一見無駄に思えることが実はコミュニケーションを円滑にしているような「回り道の必要性」について、筆者も感じているところで共感できます。

 

『地獄』

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死んでしまった男、彼は今どこかははっきりしない空間にいますが、何やらここが快適な場所であることは感じています。そこへ白衣をきた人が現れ、「ご希望のものを何でも言って下さい、すべて差し上げます」と男に伝えます。

言われるがままに男は、好きな食べ物を食べたい時に食べて寝たり、演劇を見たりと希望することは何でも与えられました。

次第に男は「もう何かしてもらうのは飽きたから、私から何かしてみたい」と白衣の人に伝えると、それだけは唯一できませんと断られます。それならば地獄へ言ったほうがまし、と男が伝えると、「ここをどこだと思っているのですか」と白衣の人が答える。といったお話です。

 


 

自分から人へ何かをしたいという意思が持てない、という事が実は人間にとって最も苦痛である、という教訓です。

本書では”目標が簡単に叶うような世界は、天国でなく地獄である”と表現されており、目標設定の重要性について論じていて、筆者としてはここ分かるな~!と共感させられました。

あまりにイージーモードのゲームをクリアしたところで、達成感も面白さもありません。とはいえ、初めた瞬間に死ぬしかないような困難過ぎるゲームはやる気すら起きないので、いいバランスの目標を決めることって、達成に向けて頑張るモチベーションを保つ上で非常に重要なのだと感じます。

受動的な願望よりも、能動的な意思を持つことの素敵さを表した、ポジティブな寓話ですね。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

上記以外にも動物(やはりなぜだかカエルが多め)や食べ物などを用いた分かりやすい小話がたくさん詰まったこの本、一冊持っていれば、流し見しながら自分が日常や仕事で表現するときの引き出しとして、結構重宝するかと思います。

Amazonでも購入可能ですので、まだ読んだことのない方へぜひオススメです。